【連作短編】過日の遊戯に御空の風を Section3 – フルハウス!!

物語系

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【連作短編】過日の遊戯に御空の風を Section2 - プログラム!!
◆前回はこちらSection 2 - プログラム!! かちこーん。 再び開錠を知らせるベルサウンドが響き、今度は若干しけった丸太が出てきた。いったい『ボックス』はどこの海底からこんなものを持ってくるのだろうか……見渡す限り、木が育てそうな場...

Section 3 – フルハウス!!

「ふぅ、これで良しっと!」

 大雑把に杭を打ち込み、ついでに火魔法で割れた地形も溶接を終えた。ビショビショな点以外はすっかり元通りである。

 それからなぜか『ボックス』の補給には固めの布も同封されていたので、今はフラットキャンバスが無骨な柱を飾り付けている。白と緑色の二色で、そこそこ品質のいい布だ。やはり素材の出自に疑問が残る……。

「どうする、次」

 フラットキャンバスが言った。

「えーっとね……まぁおうち建てちゃおっか!」

「いきなり?」

「いきなり!」

 どうやら次の予定は決まったらしい。相当に行き当たりばったりだが、これもいつものこと。

 さて、家を建てると言っても木造、石造り、レンガなどのさまざまな種類があるが――。

「よいしょぉッ!」

「!」

 ニコラスが適当に材木の柱を立てた。

 どうやら木造建築にするつもりのようである。それから、ひとえに建築と言っても様々な様式があるのだが……

「てぇえい!」

「……」

 どうやら、豆腐建築が出来上がりそうだ。

「流石にセンスがない……」

「えー? でもさー、シンプルだよ」

「センスがないよね……」

「えー」

 半分くらい出来上がった、雑の極みのような豆腐ハウスを指さし、「これに住んで楽しいと思う?」と尋ねるフラットキャンバス。

「楽しいと思う」

「もうだめだねこいつ」

「ひどいよ~!」

 ……まあ、もとよりビジュアルなど一ミリも考えられていない無機質なラボに閉じこもっているニコラスのことである。そんな上等な芸術など、建てるどころか見た事すらあるまい。

 良くも悪くも、『使えればいい』マインドの人間である。

「……ふん、ほら木材貸して。じぶんがやるから」

「わがまま~」

「わがままはどっちさ」

 このタイミングでかちこーんと軽いベルが鳴ったので、ニコラスはすぐ回収へ向かった。

 フラットキャンバスは空いている石の地面を見つめ、納得のいきそうな家を建てるにはどうすればいいか思案を巡らせる……。

「……よし」

 脳内ブループリントはできたようだ!

 大きな丸太の皮をサクサクと削ぎ、等間隔に四点の菱形に設置する。

 そしてその間を補完するよう白っぽい板材をうまく繋ぎ、あっという間に円柱形の壁が出来上がった!

「おぉ~!」

 それから一部の壁を吹き飛ばすと、そこに嵌め込むようにドア、窓枠を設置。あとはぐるりぐるりと屋根を置いて、ベースの形は完成だ!

 ピッカピカの新居があっという間に出来上がり、ニコラスは興奮した様子で目を輝かせている。

「……あとは窓ガラスと、ランタンでも」

「すごーい! え、わたしのやつより三倍すごいよ!」

 明らかに三倍どころではないが、いろいろ言っても不毛だろうか。

「で、なにが出たの。『ボックス』」

「あっ、木と精錬済みの鋼がたくさんと、お花だよ!」

「……ふぅん……」

 いったい何が起きれば精錬済みの鋼が自然に、しかも大量に出来上がるのだろうか。自慢げに両腕で抱えているのを見るに、相当な量があるはずだ。

 しかも花。なぜ海底にラベンダーが咲いている。

「はぁ、まぁ……花壇でも作ろうか……」

「いいねいいね! 花壇!」

 今回の補給では石材はなかったので、板材を使って簡易的な花壇を作り、ラベンダーの花を軽く植えた。置き場所は新居の隣へ。

 ほんのり優しい香りがして、見た目的にも華やかである。

「あとは~、ガラスって珪砂を燃やせばできるよ! この砂でいけるか分かんないけど、まあやってみよう」

 最初の補給で少し出てきた砂をすくい、嬉しそうに飛び跳ねるニコラス――。

「……で、火は?」

「あ!」

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