◆前回はこちら

Section 4 – インフェルノ!!
炎というものは、文化を成すにおいてとても重要で、根幹を形作るといっても過言ではない代物である。
調理にも火は要るし、夜の暗さをかき消してくれるのも火。木や石よりも強靭な金属を使うためには、火で処理するのが欠かせない。
「じゃ、ぐるぐるして火を起こそう!」
「手が怪我しそう」
「わがまま~」
じゃあどうしようかなー、と考えこむニコラス。
火をつけるには摩擦以外にも、太陽光を集めたり、火打石でガツンとやったりしてもいい。ちょうど鉄は手元に来たばかりだし、火打石はできそうだが……。
「というか手をシュバババーってやればいいじゃん!」
「バカ?」
「いけるいける! ほら見てて……」
そう言ってニコラスがとんでもない速度で両手をこすりだすと――
「うわぁああああ!? 両手に火がついた!?」
「バカだ」
両手が激しく燃えだした。
……一応『楽団』に所属しており、かれこれいろんな経歴を持つニコラスである。燃えたところでどうにかなる柔な人間ではない。
とはいえ、両手が真っ赤にぼうぼう燃えているのでビビったようである。それくらい予想できなかったのか。
冷静さを取り戻すと一転、きょとんとした目をフラットキャンバスへ向ける。
「……砂燃やせば?」
「そーだった!」
慌てて砂のかたまりを手に乗せ、火が消えないように注意しながら……。
「うーん」
あまりうまく燃えない。まあ、火力がそこまで無いのもそうだし、ガラスを作るための設備もなにひとつないのだ。この状況下で綺麗なガラスを製作するの
は、なかなかの無理がある。
「うまくできないかなぁ……」
「もっと火力上げよう」
「どーやって?」
「気合い」
あまりにもとんちんかんな会話の直後、ニコラスの目がキラリと光る――
「魔法ずっと発動しまくればなんとかなるじゃん!」
「……まあ気合いだね」
十分後。
ほんのわずかに歪んではいるが、かなりの透明度と平らさを誇るガラス板が数枚出来上がった!
「ふ~、疲れた~……」
ぶっ通しで超火力の火魔法を連発しまくったせいで、さすがのニコラスでもこたえたらしい。若干の疲れの色が顔に浮かぶ。
それぞれのガラスはかなりのサイズがあるため、上手にカットしてやれば窓枠としてはめ込むのに十分使うことが出来そうだ。さっそく、フラットキャンバスはうんうんと頷いて一枚の板を持ち上げる。
「いい出来」
「でしょ!」
強化ガラスではないので割ってしまう可能性は十分あるだろうが、別にここでとんでもない戦いを起こす予定はない。そこらへんは、余裕がある時においおい考えていくとしよう。
「まぁ、火が使えたから金属の加工もできそうだね」
「や、休ませて~……」
ぐったりとしつつも、今後の予定にいろいろな展望が広がっていくニコラスだった――。


コメント